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良いデザインは長持ちする——ラムス第7原則
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良いデザインは長持ちする——ラムス第7原則

ディーター・ラムスの「良いデザインの10原則」第7条——「良いデザインは長持ちする(Gutes Design ist langlebig)」。公式テキストはこう続きます。「流行的なデザインを避け、そのため時代遅れになることがない。今日の使い捨て社会においても、長年にわたって通用する(even in today's throwaway society)」。
ラムスがこの原則を書いたのは1970年代後半。「使い捨て社会(throwaway society)」という言葉を原則の中に明示的に使ったことは、単なる設計指針を超えた時代への宣言でした。

計画的陳腐化への批判

「計画的陳腐化(planned obsolescence)」とは、製品を機能的に問題がなくても「古くさく見える」よう設計し、買い替えを誘発する手法です。1950〜60年代のアメリカ家電・自動車産業で広く実践されました。
ラムスはこれをデザインの倫理的背信と見なしていました。製品の外見だけを変えて機能を変えないリデザインは、資源の浪費であり消費者への欺瞞だと。1976年のニューヨーク講演でこう語っています——「私たちが今日、住まいや都市や景観を雑多なジャンクの混乱で埋め尽くしている無思慮さを、未来の世代は震えながら振り返るだろう」。
2018年のドキュメンタリー映画『Rams』では、自身が過消費文化への貢献者の一人だったことをラムスは認めています。「もし人生をやり直せるなら、デザイナーになりたくない」——設計哲学を持つ者でも、産業システムの中で意図せず加担してしまうことへの告白として、重い言葉です。

606シェルフ——65年間現役の実証

第7条の最も雄弁な証拠は、ラムスが1960年に設計したVitsœの「606ユニバーサル・シェルフシステム」です。壁に固定したEプロファイルのアルミ縦材に棚板・キャビネットを引っ掛けるモジュラー設計のこの棚は、2026年現在も無変更で製造・販売されています。65年以上。
最も重要なのは後方互換性です——1960年代に購入した部品が、今日購入した新品と完全互換。工具不要で棚板の位置を変え、引っ越しのたびに組み替え、部屋の変化に合わせて増設できる。スペアパーツは既存顧客に提供され、修理による長期使用が保証されます。ニューヨーク近代美術館(MoMA)とロンドンのV&Aの永久コレクションに収められた棚が、今でも売れ続けているのです。

「一度、良いものを選ぶ」という設計哲学

ラムスの第7条が現代に突きつける問いは単純です——「この製品は10年後も使えるか」。
2024年、EUは「修理権指令(Directive on Repair of Goods)」を成立させました。製造業者に修理義務・スペアパーツへのアクセス保証・修理を妨げる設計の禁止を求める法律です。ラムスが1960年代にVitsœの606で実践した「後方互換・修理可能設計」は、50年以上後のEUが重視する修理可能性や長期使用の考え方とも重なります。
ZACKの18/10ステンレス製品が「流行に乗らないシンプルな幾何学形態」を選ぶのは、10年後に「古くさい」と感じさせないためです。18/10ステンレスの耐食性と、傷や反射を目立たせにくいヘアライン仕上げも、長期使用の前提となっています。「一度、良いものを選ぶ」——これがラムスの第7条が求めるデザインの姿勢であり、それは購買の姿勢でもあります。
次回は第8条「良いデザインは細部まで徹底している」を読み解きます。

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