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カートが空です

本物のデザインとは何か|削ぎ落とした先にある機能美

「かっこいい」の正体を、あなたは言葉にできるか

かっこいいインテリアの写真を見たとき、何を感じているのだろう。
色か、形か、素材か。あるいは、そこにあるものの「数」か。

多くの場合、私たちが「かっこいい」と感じる空間に共通するのは、余白だ。置かれていないものが、置かれているものを引き立てている。そういう空間は、見た瞬間に「整っている」と感じさせる。

だが、余白は「何も考えずに何もしない」ことで生まれるものではない。何を置き、何を置かないかという、強い意志の産物だ。


ドイツデザインが辿り着いた答え

20世紀初頭、ドイツのデザイン学校バウハウスは「形態は機能に従う」という思想を打ち立てた。装飾を目的とするのではなく、目的に最適化された形そのものを美しいとみなす考え方だ。

この思想は戦後のドイツ工業デザインに引き継がれ、やがて一つのスタイルとして世界に広まった。ブラウン社のプロダクトデザイナー、ディーター・ラムスが1970年代に提唱した「良いデザインの10原則」は、今もその核にある。

良いデザインは、できる限り少ないデザインである。

ドイツ南西部に拠点を置くZACKは、こうした思想の直系に位置するブランドだ。タオル掛け、トイレブラシ、ソープディスペンサー——バスルームやトイレに使われる日用品を作り続けて半世紀以上。ラインナップを見渡すと、装飾らしい装飾がほとんどない。余分な曲線も、彫刻的な造形も、過剰なカラーバリエーションも。あるのは、必要な機能と、それを支える素材だけだ。


素材が語る誠実さ

引き算のデザインが成立するには、条件がある。削いだ後に残るものが、それだけで美しくなければならない。

木なら木目、コンクリートなら質感、金属なら……仕上げだ。

ZACKが一貫して使用するのは、18/10ステンレス(SUS304)だ。クロム18%、ニッケル10%を含むこのステンレスは、腐食に強く、変色しにくく、重量感がある。表面に施されるヘアライン加工は、研磨工具で一方向にすじ目を入れる処理で、光を乱反射させず、鏡面とは異なる落ち着いた光沢を生む。

ヘアラインのトイレットペーパーホルダーを壁に取り付けたとき、それは「存在している」のではなく「そこにあるべきものが、そこにある」という感覚を与える。主張しないが、安っぽくもない。これが素材の誠実さだ。

メッキ加工の製品と並べてみると、その違いはすぐにわかる。メッキは表面だけを覆っているため、経年で剥がれる。ステンレスはそれ自体が素材であるため、使い込むほどに風合いが出る。30年使えるかどうかの差は、設計の差ではなく、素材への誠実さの差だ。


機能と美が一致する瞬間

デザインにおける「かっこよさ」の最高地点は、機能と美が一致した瞬間に現れる。

ZACKのタオルホルダーは、タオルを掛けるという行為のために最適化されている。余分な出っ張りがなく、取り付け部分が目立たず、タオルが自然に垂れる位置に軸がある。使った後に「あ、このホルダーはよくできている」と気づく類の設計だ。

これは、使う前に気づかせるデザインとは異なる。前者は機能美、後者は造形美だ。日本の茶道具や刃物がそうであるように、道具として洗練された美しさは、使う文脈の中でしか現れない。

「かっこいいインテリア」を求めるとき、私たちはしばしば造形美を求めてしまう。だが、空間に長く馴染み、飽きずに使い続けられるものは、機能美を持つものだ。


空間に「引き算」を持ち込む

実際に引き算のデザインを自分の空間に取り入れるとき、最初に見直すべき場所がある。バスルームとトイレだ。

面積が小さく、使う道具が多く、生活感が出やすい。この場所を「整える」ことができれば、家全体の印象が変わる。逆に言えば、ここに雑多なアイテムが混在していると、どれだけリビングを作り込んでも、空間としての完成度は上がらない。

選ぶ基準は単純だ。素材を揃え、色を揃え、仕上げを揃える。異なるブランドのバラバラな製品を並べるのではなく、同じ思想から生まれたシリーズで統一する。

ZACKは600を超えるアイテムのほぼすべてをステンレスで統一しており、トイレブラシ、ペーパーホルダー、タオルフック、ソープディスペンサーを同一の仕上げで揃えることができる。「揃える」ことのハードルを、製品の幅が下げてくれる。


削ぎ落とした先にあるもの

デザインの引き算は、貧しさではない。本当に必要なものを見極める判断力の産物だ。

かっこいいインテリアは、多くを語らない。だが、見る人には確かに何かが伝わる。素材の誠実さ、設計の精度、そして「これは本物だ」という確信。

ドイツデザインが半世紀かけて証明してきたことは、削ぎ落とすほどに本質が現れる、ということだ。

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