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せっかく造作洗面台を作るなら、小物まで空間に合わせたい
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せっかく造作洗面台を作るなら、小物まで空間に合わせたい

工務店や設計事務所との打ち合わせを重ね、カウンターの素材を選び、水栓を決め、ミラーの位置を考える。造作洗面台をつくるプロセスには、そういった時間と手間がかかります。

だからこそ、仕上がった洗面台の上に、なんとなく手元にあったプラスチックのソープボトルや、色の合わないタオルリングが置かれているのを見ると、少し残念な気持ちになることがあります。

小物ひとつで空間の印象が変わる、とよく言われますが、これは決して大げさではありません。

洗面台は「完成品」ではなく「舞台」

建築やインテリアの世界では、空間をつくることと、その空間を使うための道具を揃えることは、本来セットで考えられています。ホテルのパウダールームが美しいのは、洗面台そのものだけでなく、置かれているアメニティや小物、タオルの質感まで、トータルで設計されているからです。

住宅の洗面室でも同じことが言えます。造作でつくった洗面台は、そこに置かれる小物を含めて、はじめてひとつの空間として完成します。

「とりあえず」が積み重なる場所

洗面台まわりは、「とりあえず」が積み重なりやすい場所でもあります。引越しの時に使っていたものをそのまま持ってきた。近くのドラッグストアで買ったポンプボトルをそのまま使っている。タオルリングはホームセンターで一番安いものを選んだ。

それぞれはささいなことですが、積み重なると、せっかくの洗面台が「なんとなく安っぽく見える」という結果になります。洗面台本体にかけたコストと、そこに置かれた小物の質感の差が、空間のトーンを下げてしまうのです。

素材感を揃えることの効果

小物を選ぶ時に意識してほしいのが、「素材感を揃える」という視点です。洗面台がタイルとステンレスで仕上げられているなら、ソープディスペンサーもステンレス系の素材にする。木のカウンターなら、プラスチックより陶器や真鍮を選ぶ。

全部を完璧に揃える必要はありませんが、「素材の温度感」がある程度統一されているだけで、空間はぐっとまとまって見えます。バラバラに置かれていたものが、ひとつの場所として機能し始める、という感覚です。

20年使うものを選ぶ、という考え方

新築や大きなリノベーションで洗面台をつくる場合、その家には長く住むことになります。10年、20年、あるいはそれ以上。

その期間中に、プラスチック製の小物をどれだけ買い替えることになるでしょうか。劣化して黄ばんだボトル、割れたトレー、錆びてきたホルダー。その都度「なんとなく合うもの」を買い足していくと、洗面台まわりはどんどんちぐはぐになっていきます。

最初から素材のしっかりしたものを選んでおくと、買い替えの頻度が減り、空間のトーンも長く保てます。初期コストはかかりますが、20年単位で考えると、結果的に合理的な選択になることも多いです。

「完成」を急がない

もちろん、入居時に全部揃える必要はありません。まず生活を始めて、使いながら「ここに何が必要か」「どんなものが合うか」を確かめていくのも、ひとつのやり方です。

ただ、「後で考えよう」と思ったまま何年も経ってしまうことも、実際には多いものです。造作洗面台をつくる段階で、「小物も含めて空間を仕上げる」という意識を持っておくだけで、住み始めてからの選択が変わってくることがあります。

せっかく時間をかけてつくった洗面台です。そこに置くものも、少し丁寧に選んでみてほしいと思います。

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